2010年01月23日

チャイルド44

『このミス』を参考にミステリーを選ぶ人は多いのだろうか?
先日本屋の平積みにあった、『このミス』から選んだ一冊

洋物ランキングのNo1だった為、
『じゃあ、結構皆読んでるだろうから、後から読もう』
と、思ったのだが、
これまた、『このミス』の近くに置いてあったので、
ついつい拾い読みしてしまううち、買ってしまった。
----------------------------------------------------


『チャイルド44』は結構怖い。

チャイルド44 下巻 (新潮文庫)

チャイルド44 下巻 (新潮文庫)

  • 作者: トム・ロブ スミス
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/08/28
  • メディア: 文庫


  
チャイルド44 上巻 (新潮文庫)

チャイルド44 上巻 (新潮文庫)

  • 作者: トム・ロブ スミス
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/08/28
  • メディア: 文庫





評価は二分するが、私は結構面白かった。
批判にはかなり辛辣なものも有り、ミステリとしての面白さである、
謎解きや、スリリングな描写的なものが薄いとか、
ネタバレ感があるとか、色々あるが、
主人公夫婦の唐突な正義感、それに伴う犯人逮捕への情熱など、
心理面の描写が希薄でダメ出し評価をしている方も多いのでは。

私自身では、人の心理の唐突な変化は凄く自然に理解できるので、
あまり、違和感はなかった。
むしろ、人の心理は唐突に変化すると思っている。
行動も、それに対するビジョンの現われにしても、
心理の変化に『これこれこういう理由で、こうなって、こうだから』
などと言うような、考え抜いた理由のようなものはないと思うし、
むしろ、理由があるほうがなんか心を偽って・・・といおうか、
そっちの方が信憑性が無い。

私が思うに、主人公は、旧ソ連の社会体制の中で
たとえこれが当たり前だ、と、思う生き方、考え方をしていても、
意識してないとこでは『何かが違う』というような、
本質的な良心や正義感があったのだと思う。
無意識のなかで膨れていった、本質的感情なんかが
爆発した時、人の考え方は唐突に、たいてい180度変わるものだ。
同じ社会で生きる、家族や周りの人たちにも、
同じような変化があっても不思議じゃないし、
それについてのプロットは無い方が、色々想像できるからいい。


人が人や自分を思うことには、理由はないし、
それだからこそ、わいてでる正義感や愛情なんかだと思う。
そもそも、それが当たり前の人間だし、
たとえ、国が体制が、教育し、洗脳していても、
人が人の心までも創ることは、社会主義であろうが全体主義でも
結局は出来ないんじゃなかろうか。と、
ことを、作者は伝えたかったのではないのか?
そうだったらいいなぁ、と、思う。

この作品は実際に旧ソ連体制時代に起きた、
チカチーロ事件をモデルに書かれたと言われている。
チカチーロは50名余(余罪が多く、正確な人数は分からないらしい)
の子供を、何年にも渡り殺害し続けた連続殺人犯だが、
世界でも屈指の大量殺人事件として、色々な本にも出ている。
チカチーロ事件を綴った『子供達は森に消えた』

子供たちは森に消えた (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

子供たちは森に消えた (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

  • 作者: ロバート カレン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1997/10
  • メディア: 文庫




が、小説の素地になっていると言われているが、
私もだいぶん前に読んでいる。
これは、ノンフィクションだけにかなり怖い。

人は守る事も、壊すこともどちらでも出来るから、
心が勝っていれば、愛したり、守ったりしながら人として生きれるし、
負けたら、壊したり、殺したりして、人で無くなるのだと思う。
そういう意味では、本書に出てくる人たちは全て、主人公も含め、
後者になりうる可能性だってあったかもしれない世界であり、時代であった。

心の勝利ゆえに結末の大団円で小説は幕を閉じたが、
殺人者のような怪物にならない、作らない世界を実現させるというテーマは永遠に続く。

ちなみに、作者トム・ロブ・スミスはイギリス人の若干30歳
ケンブリッジ卒の、インテリだそうだが、
確かにイギリス人の描くロシア舞台の小説という面では、
批判意見にもあるように『あー、うー』という様なニュアンスもあるが、
旧ソ連末期に生まれ、ソ連崩壊期には未だ12歳位だから
(ソ連崩壊って1990か1年だったっけ?忘れた!)
実際その当時生きてたロシアの人のようにはいかないけど
きっと凄くその当時の国家体制や社会主義に疑問や思いを持ってたんだろうなぁ

映画化が決定しているらしいけど、難しそう。
でも、楽しみ。



ラベル:ロシア 旧ソ連
posted by みずほ at 16:26| 大阪 ☀| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月12日

スカーぺッタ

昨今はもう、深刻な犯罪増加の道をどんどんたどっているので
犯罪小説や、ミステリー小説も、もはや
非現実のフィクションともいえなくなってきているのかもしれない

最近では指名手配犯、市橋容疑者逮捕や、著名人による薬物問題など、
一昔では、『嘘みたい』と、思うようなことも
普通になってきているようだし

市橋事件では、いとも簡単に整形できたり、
結構逃げ続けれるもんだなぁ・・・などと思ってしまった。
日本の警察や捜査のレベルは高いほうだと思っていただけに、
『警察のレベルが低いのか?』
いや、犯罪者の方がよりしたたかになったのか?
それとも、犯罪者が生きていきやすい世の中になりつつあるのか?

いやはや、恐ろしい〜

てな訳で、世の中の暗い部分を出来るだけ見ず、
心身ともに健康第一でいるためにも、
新聞は取っていない。
1週間〜10日後くらいに、市場の包装用にある、
古新聞を読んで、『へぇーこんな事があったのかー』と、
落ち着いて知ることが出来る。

その場でリアルタイムに情報を知ってしまうと、
きっと情報のパワーだけで、冷静さを失ったり、
情報に煽られてしまいそうで、怖いからだ。
----------------------------------------------------


陰惨な事件や犯罪の最新情報を
無視して暮らせない人がいる。
犯罪捜査をする人たちだ。


スカーペッタ〈下〉 (講談社文庫)

スカーペッタ〈下〉 (講談社文庫)

  • 作者: パトリシア コーンウェル
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/12/15
  • メディア: 文庫


   
スカーペッタ〈上〉 (講談社文庫)

スカーペッタ〈上〉 (講談社文庫)

  • 作者: パトリシア コーンウェル
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/12/15
  • メディア: 文庫






検死シリーズのヒロインスカーぺッタは
その中でもとりわけ最先端に犯罪の情報を
見つけ出さねばならない検死のプロフェッショナルとして登場する
ベストセラー小説の主役だ。

シリーズ1巻からファンになっているから
新作はいつも楽しみで、今回シリーズ10弾目にあたり
特に期待に胸躍らせて一気に読んだ。

特に前回の続きから、同胞マリーノ刑事の失踪がどうなったのか?
二人の溝は埋められるのか?など下世話な興味もあった。
小説の中でどんどん時が過ぎ、いろいろなものが変わっていくのも面白いし、犯罪捜査の細かいプロットも『へぇー』となる。

但し、いつも最後の何ページで犯人が登場するところ
(いしいひさいちの4こま漫画でも指摘)
は、いかんともしがたいが、これが作風?なのか
しかし、今回は序盤で犯人はだれかわかる。

普通の人のような登場をしていても、必ず病的に嫌な奴、
おかしいんじゃないか?っていうふうに書かれてるから、
よけい分かりやすい。
犯人を推理すると言う小説ではないから、(多分そうなんでしょう?)
作者も悪い奴を容赦なく悪い奴として書いてる。
実在の人物名を挙げて、法の限界を皮肉っているようなところも
「あー相変わらずシニカルなひとだなぁ」と思う。

DNAなどの最新技術の穴を指摘している事も興味ぶかい

いずれにしても、今回も面白かった

ちなみにスカーペッタはグルメ(食いしん坊?)だから
小説には常に登場する料理のメニューや素材など、
細かい記述があるのだが、今回はあまりなかった。
「おいしい食事は睡眠不足も帳消しにする」という格言には共感だ。
スカーペッタの食事事情や小説に登場した料理のレシピはこちら


パトリシア・コーンウェルの食卓

パトリシア・コーンウェルの食卓

  • 作者: パトリシア コーンウェル
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2003/02/26
  • メディア: 単行本



ラベル:犯罪 料理
posted by みずほ at 14:56| 大阪 ☔| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。