2009年07月31日

怪盗ジバコ

稀代の怪盗【ルパン三世】のアニメは子供の頃の憧れだった。
犯罪者がヒーローを演じるという、風紀上いただけないテーマだったにも関わらず、
老若男女に、人気のアニメだろう。

泥棒はいけない事だが、それが、ヒーローとして、許され、
あまつさえ賞賛される所以は、ルパンにしろ、鼠小僧にしろ、
空想泥棒ヒーローが、義賊だからに限られている。

何も、貧しい人に盗んだ物を施すことばかりが、
義賊のカテゴリに入るようではないらしい。

盗む相手が人論を超えた、悪人の金庫から頂戴するのだから、
庶民にとっては『ざまぁみろ』と、言いたい気分だし、
大物悪党を相手にすることは、それと癒着している国家権力のみならず、
残酷な悪党の恨みを買うというリスクも背負い込みながら、
泥棒家業を続ける事は、かなり、根性が座っていないとできる事ではない。

義賊の泥棒ストーリーが痛快で、人気があるのは、
【自分達より力あるものを相手に、挑む!】と、言うロマンだと思う。

加えて、泥棒キャラのスタイルはどれもカッコいい!
映画『オーシャンズ・11』シリーズ等は、実写のキャラだけに
ジョージ・クルーニーや、ブラット・ピットらの演じるカッコよさに
シビレまくった方も少なくないのでは・・・?

ルパンは当時のハイソサエティーだった。
今から思えば、ゴーゴーダンスに、サイケデリックファッション、
やたらにでかいオープンカー、太いもみ上げ、太いネクタイ。
今の流行から見ると、ダサダサのはずだが、
今見ても、やはりカッコいい。古い言葉で言うと『イカす』のだ。

6速ミッションの車、トレードマークのファッション(いつも同じ服)
ワイン、よれよれのタバコ、
ボディコンシャスなレザーのジャンプスーツと、ハーレーのバイク、
ハンフリー・ボガードへの愛着、サイケで、ハードなブルースロック。
何もかもに、憧れた。

ルパンアニメは初期の頃ほどいいが、後年、巨匠、宮崎駿による
『カリオストロの城』は、これまでのルパンや、
その他のキャラクターのイメージを180度変える作品となった。
登場するキャラ全てが、【義賊らしい義賊】になる。
男気はあるがドジな銭型警部や単なるエキストラにすぎなかった、
警察官の面々までが、道徳心の強い正義観として、登場させている。
警視庁への配慮であろうか?
色気にすっかり欠けていることと、ウィットにとんだシニカルなジョークがないかわり、
コミカルな動作や、顔で、笑いを誘う所は、
従来のルパンの魅力本来ではなく、ちょっと残念だった。
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お気に入りの、義賊ヒーローの小説と言えば、
【怪盗ジバコ】をおいて他にない。


怪盗ジバコ (文春文庫)

怪盗ジバコ (文春文庫)

  • 作者: 北 杜夫
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/04/10
  • メディア: 文庫





怪盗ジバコの復活

怪盗ジバコの復活

  • 作者: 北 杜夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1989/12
  • メディア: 単行本





【ジバコ】は未知の存在だ。
年齢、国籍はおろか、性別すらも分からない。
もちろんストーリーが進むに連れて、
ジバコの正体がわずかながら見えるが、
やはり、最後までつかめない存在だ。

つかめない存在=つかめられない存在として、
ジバコは各国の警察を次々と煙に巻いてゆく。
が、ルパンのような、カッコよさは全然無くて、
そのキャラクターを、形容するならば、
童話に出てくる仙人のような、化け狸のような、子鬼のような、
コミカルな神様のような・・・
要するに、ファンタジーな可愛い存在なのだ。
それゆえに、【怪盗ジバコ】は大人の童話みたいな小説だ。

稀代の大泥棒ルパンや、007、刑事コロンボなどとの対決ストーリーもあって面白い。
作者、北 杜夫氏自らが登場するストーリーもある。

さて、この【ジバコ】、ストーリーも面白いが、
佐藤愛子 女史による、解説まで、楽しかった。
本の内容を想定する為に利用している解説欄だが、
この本の解説に関しては、本の内容等には一切触れておらず、
佐藤女史と、作者、北杜夫氏の関わりを通して、
北杜夫氏、論を簡単に述べているだけに過ぎないのだが、
それこそウィットに飛んでおり、
北杜夫氏のミラクル&ファンタジーな人物像が、良く伝わり、
それゆえに、【ジバコ】なる小説に、期待とワクワク感を持ってしまったのだ。

佐藤愛子女史は、北杜夫、川上宗薫らと共に
『文藝首都』や『半世紀』などの同人誌を発行していた昔馴染みで、
『戦いすんで、日が暮れて』などの名作と共に、
辛辣な戦後世相の批判でも知られる女傑であるが、
何となく、フワーっとして、穏やかそうな、北杜夫氏と懇意だと聴くと、
ミスマッチと、思う反面、なんか納得という気がしてしまう。
ラベル:ルパン三世
posted by みずほ at 10:25| 大阪 ☀| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月29日

ガチャバイ

大阪の下町を舞台にした漫画
【じゃりン子チエ】は、TVアニメにもなって、メジャーな漫画だ。
遠く沖縄でも放送していたので、ひょっとしたら海外でもやってるかも?
そうなると、大阪はもはやインターナショナルやないか。

それは、冗談だが、大阪や関西と言う土地は、
ウルフルズの【大阪ストラッド】でも唄われているように
『他にくらべりゃ、外国同然』
と言うのは、過言ではない。

はっきり行って、全体としては、イケてる所は無い!
東京に比べようないほど、街もしょぼいし、派手で品が無く、
何をやっても、景気は悪く、どこもかしこも、汚い臭い。
引ったくりや、車上あらしなどの犯罪も全国屈指だし、
早い話が『危険、汚い、臭い、生活キツイ、キンキラキン』の
5Kな地域だ。

商売ではシビアで、やりにくく、難しいし、
行政機関の堕落ぶりは、全国に類を見ないほどで、
かつ、公共料金や税金、交通機関の運賃や、公共施設の料金まで高い。
我町、堺市などは、世界一一区間の乗車料金の高さで悪名高い、
南海泉北高速線が自慢の街である。
市は相変わらず、訳の分からない浪費に励んでいて、
『誰が利用するねん?採算取れんけ?』というような
新路線開設のプロジェクトをしかも、目のくらむ予算を立てて、
意気揚々と進めている始末だ。
(堺市の異様さは東京都庁並みの堺市役所の建物を見ればご理解いただけるだろう!
東京の人でもビックリ(@_@)の豪壮さ)

と、まぁ、ウィークポイントを上げるとキリが無いのだが、
上記のような、ふざけた企画でも、
『採算取れるのか?』と聴かれれば、
『それを目指してがんばりまーす!』
(堺市の広報紙にホントにこんな感じで記載してあったのだ!)
と、言う事が、まかり通る呑気さが、一つのチャームポイントだろう。
又、それを聞く側も
『まぁ、がんばるんやったら、堪忍したろ』
見たいな、人のよさも利点ではある。

が、何が一番のチャームポイントかというと、
どこの国の人でも、どこから来てても、いつしか【大阪人】になってしまう。ことだろう。
大阪は【お節介焼き】で、【なれなれしい】【でしゃばり】人が多い。
よそから来た人は、一度は【えっ?】と言うようなことを体験したことがあるのではないか?
『全然知らん人が、お菓子をくれた』
『全然知らん人に、プライベートなこと世間話された』
などは、年中茶飯事だ。
スーパーなんかで買い物してると、
『あんたとこ、今日何食べるん?うちは○○しようと思てんねんけど、
この肉ちょっと、良うないなぁ、言うたら安ぅしてくれんちゃう?』
などど、勝手にしゃべりかけてくるおばちゃんなど、珍しくもなんとも無い。
ある意味、プライバシーもクソも無いようだが、
近所や知り合いになると、何かしら、お節介を焼いてくる。
それを、愛想よくやり過ごし、楽しめるようになれば、
もう、誰でも【大阪人】になれる。
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はるき悦巳漫画は、そんな大阪一色を描く漫画だ。
【じゃりン子チエ】とは又違った、
大阪の子供を生き生きと描く【ガチャバイ】はお勧めの漫画だ


ガチャバイ (上巻) (ビッグコミックススペシャル)

ガチャバイ (上巻) (ビッグコミックススペシャル)

  • 作者: はるき 悦巳
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1998/07
  • メディア: コミック





ガチャバイ 下    ビッグコミックススペシャル

ガチャバイ 下  ビッグコミックススペシャル

  • 作者: はるき 悦巳
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1999/03
  • メディア: コミック




『じゃり』が小さい子や生意気な子供を指す『ガキ』というニュアンスなら、『ガチャバイ』はもっと悪たれの『ゴンタ』のイメージだと思ってもらえれば良いだろう。

【ガチャバイ】の主役は、咲という『ガチャバイ』の小学生をはじめとする子供達だ。
【じゃりン子チエ】ほど、支離滅裂な大人やストーリーではないが、
相変わらず頼りない大人や、お節介焼き元気な年寄り、現実離れしている動物キャラは健在だ。

またもや大阪の下町を舞台に、(八尾だとか、此花あたりの中小工場が集まった所らしい、川があるから、淀川区、都島らへんかも)
親のいない厳しい現実ながらも、周りの大人の優しさと、本人達の元気さ、逞しさで育ってゆく話だ。

私としては、主人公の咲よりも、咲を慕う『ゴマメちゃん』の方が好きだ。
どうしよもない家庭で生まれ育ち、お母さんが家出してから、
ゴマメちゃんはいつも面倒を見ていた赤ちゃんを模して、
人形をねんねこでおんぶするというスタイルをとる。
『そんな、カッコしてたらお母はんが帰ってくる思とんか?』
咲は、ズケズケと言っても、そんなゴマメちゃんの気持ちが良く分かっている。
フイルムに写る死んだ咲の母を、二人で見ていた時、
『咲ちゃんはええなぁ、いつもこの綺麗な人に合えて、
ウチ、お母はんの顔忘れそう。』
と、ゴマメちゃんが言うシーンでは、不覚ながらも、涙を溜めてしまった。
ラストシーンで、ゴマメちゃんは自らねんねこを取る。
新しいチョッキに着替えたゴマメちゃんが
『ウチもこれで、一から出直しや!』
と晴れ晴れするところも、子供ながら天晴れだ。

もちろん、大阪らしい、ギャグも満載だが、
何よりも、愛すべき子供たちを、深い愛情でもって描いた漫画で
ぜひ、感動して涙してみよう。
posted by みずほ at 13:42| 大阪 ☁| Comment(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月26日

ミス・メルヴィルの後悔

昨今は『アラフォー』などと、熟年女の価値が見直されているようで、
ファッション、トレンド〜風俗に至るまで、熟女の活躍する場がままあるが、
私に言わせれば、「なんでやねん?」の現状だ。

私自身、アラフォーだが、その実態は【おっさんおばはん】だ。
実際どうよ?TVや雑誌に出てくるような、麗しき中年女が、まわりにいるだろうか。

確かに、歳を重ねれば、精神的にも人間練れて来るが、
私ら、ミセスは今一番忙しく、己の事にかまってられるか!
と、言うようなバイタリティーでもって日々を過ごさねばならないので、
正直、色恋だのの、艶っぽい機能は死んだも同様だ。

ハイミスのアラフォーなんかは、まぁ素敵な雰囲気を醸しているかもしれないが、
女、一人、人生やってると、ある程度の嗜好や人生観も固まってて、
なかなか、気難しくて、厄介なところもある。(我、友人達を見ていると・・・)

まぁ、人の好みそれぞれだから、それも良いことだろう。
でも、私が男なら、やっぱり、20代までがいいなぁ。
恋を楽しむなら、見るだけで楽しい・・・それでいきたいものです。
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ハイミスを主人公にした、人気小説も色々あって、
人気のあるのはやはり、女検死医、ケイ・スカーぺッタシリーズや、女探偵VI・ウォーショースキーシリーズあたりだろうと思う。
小説を描く、パトリシア・コーンウェル、サラ・バレツキーも、知性あふれる、麗しき熟女だ。
前者のヒロイン達も、魅力的女性には違いないが、
どうにも頑固で、傷つきやすく、どこかしら優柔不断で、気難しい女性でもあるが、
小説のハイミス、ヒロインで、気難しいNo1と言えば、
イヴリン・E・スミスの描く小説、ミスメルヴィルシリーズの、
スーザン・メルヴィルをおいて他にいないのではないか?
シリーズの第1弾【ミス・メルヴィルの後悔】である。


ミス・メルヴィルの後悔 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ミス・メルヴィルの後悔 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 作者: イーヴリン・E. スミス
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2005/01
  • メディア: 文庫




小説のヒロインやヒーローは苦境に立ち向かって、
身を立てた立志伝中の人が多いのに対し、
このヒロインは元、社交界の令嬢だ。
但し、没落名家の姫君である。
父の出奔後、落ちぶれて、市井のオールドミスという立場から、
物語はスタートするのだが、
育ちと言うものは、恐ろしい!!
何しろ、こんな鼻持ちなら無いヒロインはそうはいない!
しかも!極めて頑固で、気難しい。
何しろ、出だしは自分を追い出そうとする、アパートの大家を殺してしまうのだから。
しかも!わざわざ、新聞広告や友人達に、自分の死の旨を伝える準備まで万端で、
『あいつを殺して、自殺する!』と、言うような大層なことをきっかけに、
フリーのアサシンとして、スカウトされる、というストーリー。

はっきり言って、そんなんで人殺ししてたら、なんぼやっても追っつかんがな!
てな、動機で、最終、同じような動機で誰かを打つのだが、
それをきっかけに、自分の本来の夢を実現、成功に導くと、
まぁ、都合がいいというか、何というか・・・
私は「Take Joy」型気質だが、
スーザンメルヴィルは「Shot The Chance!」か?
気が荒いぞ!

衝動で、何かをする人というのは、結構いるが、
スーザン・メルヴィルはまさに、その通りの人物だ。
しかも、女性で、考え方の硬くなっている、ハイ・ミスだから、尚怖い。
ベットのリネンだの、アイスクリームの種類だの、なんだのにいちいちこだわるクセ、物事の考え方は偏狭的。
で、更に、いちいち断定的に論するところも鼻持ちなら無い。
人との関わりあいの中でも、表面にみせている自分と、
胸の内で思っている事は、開きがあり、しかも思っている事が辛辣。

知恵と、経験に長けると、こうなるのも理解できるが、女性に対する夢は無くなるよねー。

どうですか?知的で美しい、熟女がにこやかに話しかけているけど、
心の中では『全く、この人ってば・・・』と、眉をひそめているとすれば・・・あー怖い。

しかし、この鼻持ちならない、元お嬢様の物語を、どこか、憎めずキュートにしているのは、翻訳の長野きよみさんの手腕ではないか?
何ちゅう奴っちゃ、と、思いつつ、シリーズ
【帰ってきたミス・メルヴィル】
【ミス・メルビルの復習】
【ミス・メルヴィルの決闘】

まで、読んでしまった。
ちなみに、以上4編はハヤカワミステリから出ているが、
扶桑ミステリからも1巻、翻訳が変わって
【ミス・メルヴィルの好運】があるらしい。こちらは、見つけられないし、読んだことが無い。


これは、余談だが、 我母親が60歳の時、機会があってフランス留学をしたことがあったが、こんなエピソードがある。
とても憎たらしく意地悪な教授に、やり込められ、
憤懣やるかたない母が、ささやかな仕返しをした話。
その意地悪教授は、学校の前の公園で、
毎朝、花壇だのがなんだのが見える、道のベンチで寛いでいたので、
前夜のうち、公園中のベンチを噴水の周りに集めて、
噴水しか見えないようにした!らしい・・・
いくら、小さい公園だったとしても、なんちゅうことを・・・
と、思わずにはいられない、馬鹿馬鹿しい仕返しを大真面目にやるところが、
熟女の怖いところではないか?

若い娘だったら、楽しい未来が次から次へとあって、
そんなこと考える暇も無いかもしれないが、
知恵もつき、頭脳も鍛えられた、
年配女性の記憶力や実行力や、想像力は、面白くもあり、恐ろしくもあるので、
『熟女は優しい』なんて幻想を持っている方はご用心を!
ラベル:アラフォー
posted by みずほ at 18:13| 大阪 ☁| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月25日

Bonnie Raitte 聴いてましてん♪

ジャニス・ジョプリンに魅せられて、ブルースシンガーを志したのは、
20年以上前、ティーンエイジの頃だ。

ブルースシンガー、と言うよりも、ジャニス自身になりたかったのかもしれない。

私の声は、高く、子供っぽく、チープで、薄ぺらく、ブルースやロック、R&Bなどなど、
好きな音楽を唄うにふさわしい声を持ち合わせていなかったため、
なんとか『かっこいい声』を目指そうと、
当時は本当にバカなことを大真面目に実践していた。

ハードでワイルドな、ブルースマンやミュージシャンのスタイルにも憧れていたので、
必要以上にハードなスタイルを真似ていた。

飲酒、喫煙の習慣もこの頃に確実についてしまったのだろう。
当時、仕事が終わると、必ず『マイルドウォッカ樹氷』という酒を帰りに買って、
(680円くらいのお手軽スピリッツで、長方形の四角い瓶に入っていた)
好きな曲を聞きながら、1本を根性で必ず開ける。
もちろん最初と最後を何をさておきジャニスのアルバムで閉めるのだが・・・・・
『ブルースマンは飲酒』『ハスキーボイスには飲酒』と決め付けて、
鍛錬の為、本当に根性で毎日飲んでいた。
約1年、毎日欠かさず、この習慣を続けていると、
四角い酒瓶がたまりに溜まって、ベットでも作れそうになった時、
母親に泣かれた。

学校を出てからはずっと一人暮らしだが、
『ブルースマンはアバンギャルド』と勝手に決めつけ、
いつも、ふらふら出来るように、これといった物を持たない主義を、
これまた、根性で実践していた為に、
今でもTVはおろか、電子レンジや炊飯器と言った、普通の家電すら持っていない。
それでも、当時よりは、ずっと常識的になって、電気の傘や洗濯機くらいはある。

最終的にどうなったかと言うと、ジャニスにはなれなかった。
いや、他の何にもなれなかったのだ。
私は、私にしかなれなかった。そしてミュージシャンではなく、花屋になった自分がいる。

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せめて、この人の1/10でも歌えれたら、
まだ、ミュージシャンになりたいと思っていたかもしれない
のが、ボニー・レイットだ。
好きな女性シンガーの5本指に入る。


テイキン・マイ・タイム(心ゆくまま

テイキン・マイ・タイム(心ゆくまま

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Warner Music Japan =music=
  • 発売日: 2008/05/28
  • メディア: CD





ボニー・レイットは1986年グラミー賞のイメージが強い人が多いだろうが、
私は断然初期の頃が好きだ。
もちろん、熟年のボニーの錆びた分厚い鉄のような声も捨てがたいが、
この頃の、透き通る、でも熟成してきている時のような、
例えて言えば、『凄く濃い色なのに、凄く透き通っている』ような頃が好きだ。
ボニーは今年60歳だから、このアルバムの時は29歳と言う事になる。
『この歳で、こんな唄いかたを聞かされちゃね〜』

1978年にリリースされた、3thアルバムの
【Tikin My Time】はボニーのアルバムで一番気に入っている。

作曲はボニーのものは無く、ボニーの好きなソングライターによるものや、カバーだが、
ボーカリストとしての存在を確立するような出来だと思う。
優れた作品の探索と、それをボーカルによって名曲という一つの形に作り上げるには、生え抜きの演奏、そして唄が要る。
それを、立証したようなアルバムだ。

ナンバーはマーサ&ザ・ヴァンデラスのモータウンR&Bや、
ランディー・ニューマンなど往年の名作をボニーヴァージョンでやる。
気に入っているのは、後年エルビス・コステロもカヴァーした
【Everydays Cryn’Mercy】
ジャクソン・ブラウンによる、素朴なナンバー
【I Thougt I Was A Child】
【Kokomo Blues】はボニーの十八番プレイ、ボトル・ネックが冴える。
ボニーらしく、滑らかで、しとやかで、エロく、女らしく優柔不断なテイストがたまらなくいい。
ジョニー・ウィンターのプレイでは味わえないスライド演奏だ。

だが、一番気に入ってるのは、エリック・カズの名曲
【Cry Like A Rinestrom】だろう。

大好きなハードボイルド小説 【探偵バークシリーズ】のなかでも
『女にしか歌えない歌い方をする』と言われているボニーの歌唱力が活きてる。
テクニックや、アレンジに凝らず、シンプルに歌い上げているのに、心に染み入る。
と、思いながら、聴いていると『Like A Rinestrom』
外は、嵐のような大雨が降っていた。



余談だが、スティーヴィー・レイ・ヴォーンのとリュビュートライブに、ボニーが出演している。
1995年の追悼コンサートで、兄ジミー・ヴォーン/BBキング/バディ・ガイ/ドクター・ジョン/ロバート・クレイ/エリック・クラプトンら、大御所によるライブ。


ア・トリビュート・トゥ・スティヴィー・レイ・ヴォーン

ア・トリビュート・トゥ・スティヴィー・レイ・ヴォーン

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: エピックレコードジャパン
  • 発売日: 1996/09/11
  • メディア: CD





オープニングの【Pride & Joy】で、見事な唄とスライドギターを披露しているので、是非、お聞きあれ。



posted by みずほ at 13:41| 大阪 ☁| Comment(0) | CD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月24日

朝顔

上のチビが夏休みになった。
学校の理科で育てたアサガオを持って帰ってきた。
教材用の、プラスティックの鉢に植えてるやつだ。
自宅のベランダは日差しが強すぎるので、
店に持ってきて、そちらで続き育てている。

我々も子供の頃、同じようなしつらえで育て、
観察日記をつけた記憶がある。

種まきをした後、間引いた苗を先にもらって、
店先に植えたが、中々花芽が付かない。
『おあかあさんのアサガオとどっちがたくさん咲くか?』
と、競争中だが、私のアサガオはいっこうに花が咲く様子は無く、
チビのアサガオの方は、毎日順調に花を咲かしている。
『おかあさんの負けー』と悦に入っている。


20090724.JPG

しかし!今日やっと、1輪の花が咲いた。
チビのアサガオは口紅のようなローズピンクに対し、
私のは青みの強い、紫の花だ
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【朝顔】はヒルガオ科サツマイモ属のつる性植物で、
日本には奈良時代、遣唐使により、その種が持ち帰られたことから始まる。
当時は、【牽牛】といい、種が生薬として利用する為の栽培だが、
美しい花に、多くの人が魅了されたのか、
江戸時代には、品種改良や、珍種の売買など、
いわゆる「朝顔ブーム」に発展する。
現在の、夏の風物詩ともなった『朝顔市』の始まりである。
朝顔の掛け合わせは比較的簡単だが、1代交配のみが基本らしく、
珍しい花が生まれても、すぐ元に戻ってしまうか、
弱小なものしか出来ないか、というような事になってしまう。

私も一度、違う花同士を掛け合わせて、種を作ってみた。
その種を翌年植えてみたが、中途半端なモザイク(漂白剤がかかったのか?みたいな)
そして、小さくて、ひょろひょろと弱いものしか出来なかった。
花生産者の、品種改良がいかに難しく、経験と知識を要するかを、改めて知った。
ちなみに、江戸時代には、このように掛け合わせて、
独自の朝顔の美しさを競う、品評会やサークルのようなものも
おおいに、開催されていたらしい。

但し、この美しい花、生薬とされるだけあって、
危険な成分も多様に含まれている。
薬の効能としては、下剤、利尿剤などだが、
問題の成分は、麦角アルカノイド、いわゆるLSDの成分だろう。
抽出、精製などが必要だろうが、とりあえず、食べないことにこした事は無い。

『お母さんの朝顔はおおきいなぁ。俺のほうが小さい。』
と、チビはいぶかしんでいるが、
これは、摘芯作業の成果だ。
摘芯を行うと、枝が増えるからだ。

コツは本葉8枚の時に上をチョン!
それからは、下から数えて5枚の葉の上をチョン!これを適度なサイクルで繰り返すと、
新しい蔓が更新され、長くたくさんの花が付く。
肥料はハイポネックスを極少量薄めたものを、5日〜1週間に1度くらいの割合で、あげている。
ちなみに、チビの方は、学校で固形肥料を施してある。

私の朝顔の花芽が遅いのには、こういう理由があったのだ。
さぁ!息子よ、これからの巻き返しをとくと見よ!
ちょっとしたことでも、学びと、手間と、愛情が、大きな『底力』になる事を、知ってほしい。



アサガオの絵本 (そだててあそぼう)

アサガオの絵本 (そだててあそぼう)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 農山漁村文化協会
  • 発売日: 2001/05
  • メディア: 大型本





あさがお (フレーベル館だいすきしぜん―しょくぶつ)

あさがお (フレーベル館だいすきしぜん―しょくぶつ)

  • 作者: 柳 宗民
  • 出版社/メーカー: フレーベル館
  • 発売日: 2008/04
  • メディア: 大型本





アサガオ江戸の贈りもの―夢から科学へ (ポピュラー・サイエンス)

アサガオ江戸の贈りもの―夢から科学へ (ポピュラー・サイエンス)

  • 作者: 米田 芳秋
  • 出版社/メーカー: 裳華房
  • 発売日: 1995/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)





ラベル:あさがお 夏休み
posted by みずほ at 12:01| 大阪 ☁| Comment(0) | 子供 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月22日

モヒート&ミント

自分で園芸を初めたのは、ハーブを育てることから。
住んでいたアパートの大家さんが、『いいにおいするよ。一杯育ったから分けて上げる。』と、
苗をくれたことから始まった。

園芸は母がマメに庭木を育てているのを見ていただけ、
当時、ホームセンターで園芸コーナーでアルバイトをしていたことから
大家さんが、私がきっと園芸好きなんだと思ったのだろう。

だから、はじめはミントを育てることから園芸趣味がスタートしたのだ。
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ミントはしそ科の多年草で、簡単に株分けや根差しで増やせるので、
ハーブビギナーが育てるにはもってこいの植物だ。
種類も多く、スペア・コロンなどのクール系の香りのもの、
アップル、パインなどのフルーツ系の香りのもの、
ペニーロイヤル・コルシカなど、芝生みたいに使えるもの、等など多種多様の仲間がある。

香りが馴染みやすく、手軽に使えるから、ハーブをどんどん体感できるので楽しい。
簡単に使うなら、ちょんちょん、と切って、水に挿して、洗面所やトイレにおいておくだけで、
爽やかで気持ちいいし、香りを立たす時は、葉っぱを指で挟んで、
『ギュッ』と押すとフワーっとミントの香りがする。
飾ってる間に茎から根が出たら、土に挿すとすぐ根付く。

お料理やデザートの飾りにチョンと添えるだけでキレイだし、
春巻きとミントを野菜で包んで、甘酢で食べれば、ベトナム風だ。
直接食べると、爽快感があって、殺菌効果もあるので、
焼肉の野菜巻きや、生春巻き、タコスで巻く時、一緒にまいて、『バクッ』
いくらでも食べれそうなくらい、すっきりする。
慣れないうちは、刻んで食べると馴染みやすい。
春から夏は、旺盛に育ってくれるけど、ハーブだけにおいしいのか、
虫もよく付く。キャベツに付くような青虫や、バッタなんかも食べにきているみたいだ。

葉っぱのもんは直接口にするので、あまり、殺虫剤は使いたくないし、
「まぁ少々虫にもわけたろ」てな気分で接する方が、しょっちゅう虫取りをしたりせず、気が楽。
収穫の時はたっぷりの水でジャブジャブ洗えば大丈夫。

若い上のほうの柔らかい葉っぱは、直接食べるのにつかうが、
下の方の固い葉っぱは口に触るようなら、
製氷機に並べて水を張って、ミント入りの氷を作るといい。
氷が解けるに従って、いい香りが優しく立つので、カルピスやジュースを飲む時、爽やかな甘みに感じられる。


文豪、アーネスト・ヘミングウェイの好きだった、カクテル。
【モヒート】で、真夏の晩酌を楽しむのはどうだろう。
作り方は、グラスに好みの量のミントの葉っぱを入れ、
スプーンで好みの量の砂糖と共に潰し、ホワイトラムを好みの量そそぎ、
ライムかレモンを少々、そして炭酸を加えて出来上がり。
飲みあたりがよいけど、ラムは強いお酒なので、飲みすぎにご注意!

おつまみのメニューはこんなのはいかが?
【ベトナム風の春巻き】
春巻きはお好みのものを巻いて、市販の皮は半分に切って小さいサイズを食べると、カリポリしてクランチーでおいしい。
ミントの葉と一緒にサニーレタスで巻いて、タレをつけて食べる。
つけるタレは本格的なニョクチャムだといいが、面倒なら、市販のスイートチリソースをレモン汁と少々の水で延ばし、刻みピーナッツときゅうりの輪切り、ニョクマムを『ピッ!』と一振り入れると、それっぽい。
春巻きの皮は普通のでもいいけど、ライスペーパーを使うと本格的。
最初は低温、次は高温の2度揚げすると上手く行く。




【辛いスタミナスープ】
唐辛子、にんにく、たまねぎ、鶏肉の皮かベーコンを炒め、水、コンソメ、砂糖少々、仕上げにレモン汁と刻みミントをパラパラと浮かせる。
超簡単スープは【ヨーヨーの猫つまみ】のレシピをアレンジ。


【はまちのセビチェ風】
はまちの切り身、たまねぎの薄切り、きゅうりの千切り、等など、好みの野菜と刻みミントを、砂糖、塩、オリーブオイル、レモン汁、唐辛子を混ぜたものであえる。
手軽にフレンチドレッシングを使ってもいい。
唐辛子はお好みで、少しおいておくと味がしみておいしい。
ちょっと匂いがきつい魚や海老、貝でもおいしい。
唐辛子をグリーンカレーペーストに変えると【激辛!】
『虎の乳』と言われる、ペルー料理のセビチェのマリネ液に匹敵の辛さが楽しめるぞ!
でも、凄い辛くなるので、入れる分量はちょっとね!



【すいかミント】シロップに刻みミントをたっぷり入れて一晩くらい冷蔵庫でキンキンに冷やしたものに、
カットしたスイカを入れるだけ、仕上げにレモンを絞るといい。
イチゴやパイン、他の果物何でも合う。
缶詰のフルーツなら、シロップをそのまま使えて便利。
スイカではないけれど、どこかのイタリアンレストランのデザートで食べた。
それはもっとフルーツが細かく刻んであって、色々入ったフルーツポンチ。
シロップにミントの香り付けがしてあった。名前は忘れてしまった・・・・
それを手軽にアレンジしたもの。スイカが一番気に入ってる。

ヘミングウェイの名作片手に、ミントディナーはいかがでしょうか
ラベル:お酒 ハーブ 園芸
posted by みずほ at 13:08| 大阪 ☁| Comment(0) | 料理・食べ物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月21日

ハンニバル

人間、皆、自分に無いものを求める。
私に無いものは、お金、時間、体力、の3大欠如だが、
サブカテゴリとしては、品、知性、教養だと思っている。

これに関しては、私を実際に知っている人は納得する。

『品、知性、教養』は、努力で身に付くとは言え、
なかなか、その努力は出来ない。

面白い話をしようと思うと、つい下品になるし、
下品になってしまうのは、知性、教養がないから、
安直な話題しか出来ないんだと思う。

教養は、論外で、そもそも教養を身に付けれてたら、
もう少しましになってたやろに。。。
と、思うことが、週に一度はあるような気がします。。。。

まぁ、それも楽しい自分なのだがね。。。

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本当に、知性教養、品のある人物なんだかどうかは、分かりはしないが、
ハンニバル・レクター博士は、完璧だろう。


ハンニバル〈上〉 (新潮文庫)

ハンニバル〈上〉 (新潮文庫)

  • 作者: トマス ハリス
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2000/04
  • メディア: 文庫





ハンニバル〈下〉 (新潮文庫)

ハンニバル〈下〉 (新潮文庫)

  • 作者: トマス ハリス
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2000/04
  • メディア: 文庫




ハンニバル・レクター博士は、キングオブミステリ作家のトマス・ハリスが生み出した、稀代の悪漢キャラクターだ。
初めては、小説ではなく、映画【羊達の沈黙】によって知った。


羊たちの沈黙 (新潮文庫)

羊たちの沈黙 (新潮文庫)

  • 作者: トマス ハリス
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1989/09
  • メディア: 文庫




レクター博士、演じるアンソニー・ホプキンスは『マスク・オブ・ゾロ』『ジョーブラックをよろしく』などなど、多くの映画に出演する名優だ。
彼の演じるレクター博士はインパクトがあった。
映画を見てからトマス・ハリス作品を読むようになったが、
めったに、本を購入しない私が
『ブラックマンデー』〜『ハンニバルライジング』までを秘蔵本としている。


ブラックサンデー (新潮文庫)

ブラックサンデー (新潮文庫)

  • 作者: トマス ハリス
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1979/03
  • メディア: 文庫





レッド・ドラゴン 決定版〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)

レッド・ドラゴン 決定版〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)

  • 作者: トマス ハリス
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2002/09
  • メディア: 文庫




レッド・ドラゴン 決定版〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)

レッド・ドラゴン 決定版〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)

  • 作者: トマス ハリス
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2002/09
  • メディア: 文庫







【羊達の沈黙】からハンニバルレクターファンが多く表れたと思う。
かくいう私もその一人だ。

映画【ハンニバル】は上映当時、大いに話題になって、
ハンニバル論や、ハンニバル、ガイドのような本も幾多か出ている。
実際の小説と、映画ではストーリーがずいぶん違う。
ラストシーンに関しては180度違う。
これは、意図してこうなったのだろうが、
私としては、レクター博士と、クラリスのラストをオリジナルでやってほしかった!派だ。

ハンニバル・レクターファンが多いのは、
先ず、彼の知性と教養の魅力。
それから、欲望の権化だとか、社会病室者だとかの枠を超越した悪人ぶりだと思う。
読んだ人には分かってもらえるかもしれないが、
レクター博士は、犯罪者ではあるが、極悪非道の悪魔でない。
なんか、矛盾しているのだが、読みまくらなければ分からない。

この本を読むなら途中で中断しないで、一気に読むことをおすすめする。
ストーリーの複雑さから、中断すると、記憶が散漫になってしまうし、
捜査、心理学上の専門用語が結構出てくるから
『へッ?』となることも多い
ざーっと拾い読みすると、会話の端等に、ストーリー重要な事が出てたりして、『えっ?何のこと?そんなんいつ言うた?』
見たいな事が生じるので(私だけか・・・?)
集中して一気に読む。と、臨場感もひとしおだ!

回を重ねるにつれ、レクター博士は特にキャラクターの厚みを増してくる。【レッドドラゴン】ではクローフォドと共にFBIの視点が強く、
彼のキャラクターの方が立っていたが、段々と先細り、【ハンニバル】では、強固な氷柱が溶け去るように、クローフォドの存在そのものも消え去ってしまった。
変わりに【羊達の沈黙】から登場するスターリングが、その存在を確立する。
彼女はFBIという法執行機関の側にいるが、レクター博士と共にする焦点も持ち合わせている。
それは、博士が分析する『行動の権化』が上手く表してるような気がする。
法や世の中の正義という曖昧なものより、彼女自身の正義を行動で実行する。場合によっては法という壁をも躊躇無く打ち抜く。
その気質は【羊達の沈黙】にすでに表れていて、
【ハンニバル】でレクター博士との共通する焦点に行き着くのか、
もしくは、交差するのか・・・が見所だった。
ラストには非常に満足している。

残念ながら映画では、小説のようなラストは無い。
確かに、このまま表現するのは、犯罪を肯定、賛美しかねないし、
ありのまま、広く公開するには危険だ。
映画では、ストーリーの重要な存在であった人物も割愛されていることは、残念だった。(但し、ディフォルメされてるストーリーには彼らの出る幕は確かに無いが・・・)


ただ、怪物は怪物のまま生まれてくるのではない。
社会が、世の中が怪物を作る。
と、言うことも、上手く伝わっていると思う。
レクター博士の過去を知るとそれがよく分かる。
もっと詳しく具体的に【怪物レクター】が生まれるまでを綴った
【ハンニバルライジング】で理解できることと思う。
しかし、怪物は怪物でも色々あるのだろう。
自分という怪物を作り出した世の中のどこかの怪物に、自分の欲望や欺瞞やあらゆる弱さが負け、食われてしまったその時、人間は心を失ってしまう。
登場した、社会病質者的犯罪者のように、又、普通の人と変わらない人間の中にも共通するものがいる。
自分の意志で怪物になったレクター博士とは違うような気がする。
レクター博士にはれっきとした心があるし、(常人の理解を超える部分もあるが、きわめて納得の部分もある。曖昧さがないのだ!)
行動も心も自分の意志によるもののように思う。
感動したのは、レクター博士といえど、『愛する』ということを辞めることが出来ないというところだった。


ハンニバル・ライジング 上巻

ハンニバル・ライジング 上巻

  • 作者: トマス ハリス
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/03
  • メディア: 文庫




ハンニバル・ライジング 下巻

ハンニバル・ライジング 下巻

  • 作者: トマス ハリス
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/03
  • メディア: 文庫




余談だが、あらゆる知識を誇るレクター博士は、
フラワーデザインにも造詣が深く、クライマックスの晩餐のシーンで、こだわりのフラワー装飾をしている。
彼の作るアレンジは、中世の古典的な技法と花合わせのクラシカルなアレンジメントだ。

posted by みずほ at 17:32| 大阪 ☔| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月20日

浪花少年探偵団

『この川を越えると、帰って来た〜』って気がするところや、
『この、道から先はなんとなくおちつかない』気のする境界線みたいなもの、
誰にでもありそうだし、どこの土地でもありそうな感覚。

私の住む大阪も何とわなしに、地域の境界線があって、
その区分けごとに、どこかしら雰囲気が違う。

【大阪は川の町】という文化遺伝子がしみついているのか?
私の境界線は川か筋だな。
筋は道だから川じゃないじゃない?
と、いわれるかもしれないが、大阪の多くの筋は
元は運河だったりしたものが埋められたものも多いし、
川は治水工事によって作り変えられたものが結構あるのだ。

日本で3本の指に入る【きちゃない川】として有名な
【大和川】も元はずっとくねくねした複雑な川だったが、
度重なる水害と運河に利用の為、今の形に作りかえられた。
今は東西を直線的に流れているが、
昔は北東から南西に直角を描くような形だった。
ちょうど今の東大阪、八尾あたりの河内方面から
柏原ぐらいのところで堺西方面に流れ出ていたものと思われる。

昔の地図を見ると、大阪府北方面を摂津、東を河内
中心を難波、堺、南を和泉と大きく分けるとこんな分類になるが、
今もその伝統はあまり変わってないように思う。

それが証拠かどうかは別として、
堺の私には和泉は仲間意識、北は中央区の中央大通りを越えると、
所在無い気持ちになってしまい、せいぜい北は神崎川くらいまで、
京阪電車に馴染みなし。
逆に北方面、池田市の友人は、千日筋、大和川、近鉄電車に馴染みなしと、いう。
大阪府中央区の友達は、我々の意見を『何?それー?』と、理解せず。
さすが、中央部の人はマルチカリチュラリズム(そんな大層な!)なのだなぁ。
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浪花少年探偵団 (講談社文庫)

浪花少年探偵団 (講談社文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1991/11
  • メディア: 文庫





しのぶセンセにサヨナラ―浪花少年探偵団・独立編 (講談社文庫)

しのぶセンセにサヨナラ―浪花少年探偵団・独立編 (講談社文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1996/12
  • メディア: 文庫




東野圭吾といえば『探偵ガリレオ』『容疑者X』等、
話題の作家だから、ファンの方はとても多いことと思う。

1985年江戸川乱歩賞受賞で本格的デビュー。
書籍の数は多い作家だが、デビュー意向、常に候補には挙がるものの、
賞には恵まれなかったが、2006年念願の直木賞、ミステリ大賞のダブル受賞で話題になっていた。
『探偵ガリレオ』のドラマ化、映画化は、俳優、福山雅治氏主演の
キャスティングも含め、ちょっとしたブームになったが、
私はあまり好みではない。
氏の描く、本格ミステリやサスペンスにはどこか凄みが無いような感じがある。
何となく、全てにおいて作者の【暖かさ】的なものが出てるような感じが、【犯罪の恐ろしさ】をいつも和らげているような気がしてしまう。

むしろ、『鼻をほじりながら読んでるうちに、なにか暖かくジンとくる』ような、この【浪花少年探偵団】の方が好きだ。
作者の【暖かさ】を感じつつも、犯罪や悪意に対する正義を感じられる。

トリックも、動機も、ストーリーも、何てこと無い日常で、
登場人物も、どこにでもいるような市井の人々だ。
『スーパー探偵』のようなヒーローも、『悪魔の化身』如き悪人もいない。
いるのは、ある意味美人ではあるが、がさつなヒロイン、
『大阪の元気で明るい小学校女教諭』、『大阪のごんたくれガキンちょ』
『大阪のあんちゃん刑事』『大阪のおっさん刑事』『大阪のおかん、おとん』『大阪のおっさん、おばはん』
などの普通の人たちの、普通の正義や愛情、優しさと、
普通の人の普通の心の弱さから生じる、悪意、犯罪が事件として展開する。
ミステリとして読めば、何とも気の抜けるようなものだが、その普通さが、私にとっては心にしみるのだ。
上記の感想は、続編【しのぶセンセにさよなら】の最終章に集約されている。

ちなみに大阪は『先生』=『センセ』という。
作者は大阪府出身なので、大阪を余すところ無く表現しているから、
会話もすべて『べたべたの大阪弁』で、舞台も東住吉区だの、西成区、だのの、大阪でも特にべたべたの下町、生活地域に、たこ焼きがどうだの(ヒロインの好物がたこ焼きらしい)食べ物がどうだの、犬の糞がどうだのとくだらないことが満載だ。
おしゃれな関東方面の方々にはいささかうざいかもしれないが、
簡易に大阪人体験できる小説だと思う。


ラベル:たこ焼き 大阪
posted by みずほ at 14:30| 大阪 ☔| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月17日

餃子の大合唱

母が中国ハルビン生まれだった影響で、
我が家の献立には【餃子】がよく登場した。
一般の家庭の餃子に比べると、かなり本格的だったと思う。

当時は、【焼き餃子】が主流だったのに対して、うちは【水餃子】だったし、皮も水餃子用に作っていた。

餃子の日は、白いご飯はなくて、餃子だけを延々、食べる。
水餃子と焼き餃子、水餃子を煮たお湯で卵スープ。
それに、ゆで野菜か、おひたし等の箸休めがつく。
焼き餃子は【貼鍋】グォティエとか何とかいって
(母も言葉は正確には覚えてないらしい)
『水餃子が残ったら、焼いて暖めなおして食べる』
と、いったノリだったそうだ。

翌日の朝ごはんに、中国人のおさんどんさん達が
そのようにして食べていたらしい。
ほんとに、すき焼き鍋みたいな鉄鍋に敷いて焼いていた。
それが、良い匂いでおいしそうだったのだが、
朝はちゃんと、別にご飯の用意をしてくれていたので
結局、在中時代は食べれずじまいだったそうだ。

我が家の餃子の餡は
白菜/韮/豚肉のみのシンプルなもので、
これをベースに海老やしいたけ等、足してバリエーションを増やす。
プラスする材料はベースの餡に対して1/5〜1/4位がベストだ。

味付け、香辛料にはにんにくは使わず、しょうが、胡椒、八角か五香粉(私は石垣島のピーヤシーというのを使う)

オイスターソース、しょうゆ(私はヌクマムを使う)砂糖、ごま油だ。


ポイントは豚肉は細かく叩く。白菜も芯まで細かく叩く

おさんどんさんたちが、おしゃべりしながら、中国のあの、包丁2本でトントコ叩いて細かくしていた様子を覚えているらしい。
市販のひき肉だとちょっと感じが違うらしい。
合いびき肉だとかだと最悪!
実際は豚は塩漬けのものを使っていて、羊が混ざるときもあったそう。
今は、そんな大変なことまでできないので、
豚ばら肉の塊を、使うときにミンチにしている。

もう一つのポイントは
肉は肉で味付けして混ぜてから、野菜と混ぜる。


水餃子の皮は作った方がおいしいが、
焼き餃子は市販の方が、上手く焼ける。


皮は粉に水を混ぜてよくこねるだけでも良いが、
我が家では、粉の1/4位に熱湯、ラード、塩を混ぜた
『ネバネバの糊』みたいなのに残りの粉を混ぜこねて作る。

パリッと焼くのには、粉少々を熱湯で溶いた、『トロトロの糊』みたいなのを水で延ばした物を、(うっすーいカルピスみたい)
焼くときに差し水する。
パリパリの皮ができるのだ!

餃子につけるタレは市販のものは使わずしょうゆ/酢/ラー油を好きに合わせてみよう。食べるにつれ、色々味を変えたくなる。
私は米酢に煮きりしょうゆ、にほんのちょっと砂糖を加え、ラー油ではなく豆板醤を入れるのが好き。
豆板醤が気分でコチュジャンに変わることもある。

今も、母の作り方を私流に作り続けている。
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【餃子の大合唱】という餃子本にも同じようなことが載っていたので、
母の餃子の作り方の記憶がかなり正確だったことがわかった。

餃子の大合唱 (KAWADE夢ムック―王様のキッチン)

餃子の大合唱 (KAWADE夢ムック―王様のキッチン)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1997/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)




*タイトルを間違えて探していました!
最初に見ていてくれていた人。ごめんなさい!
良かった!ありました!この本ぜひ、さんこうにしてください!

但し、取り寄せの市販餃子もおいしいものが色々あるのでちょっとご紹介します。

関西は【眠眠】【王将】がメジャーだが、
 

【点々】もおすすめ!可愛いちっこい餃子で、焼くと皮がパリパリして、おつまみにいい!
ゆでるとワンタンみたいにツルッとして、これもおいしい!
ラーメンスープの残りでゆでるとと簡単ワンタンの出来上がり!


【蓬莱】は何といっても豚マンだが、シュウマイや肉団子もおいしい。子供のころからのお馴染みの味。
餃子はスタンダードのより、海老の方が好き


神戸の【元祖ぎょうざ苑】は、ぎょうざ通は一度は食べてる餃子の老舗あきない味で、なんぼでも食べれそう!
  

南京町の【皇蘭】は肉まんとかの、他の点心も色々おいしい。


【丸満】は取り寄せ好きの友達に食べさせてもらった。
「ぷりころっもちっ」としておいしい!

ラベル:餃子 点心
posted by みずほ at 11:46| 大阪 ☔| Comment(0) | 料理・食べ物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月16日

毛沢東の私生活

私がまだ小さい子供の頃(小学校の3年位まで)父が定期購買で配達される本の中に【中国人民】とか【人民中国】とかいう雑誌があった。
正直タイトルは正確には覚えていないが、毛筆書体でタイトルが書かれた、雑誌で、紙も安物ぽくて、今から思い出してもそんな、立派な雑誌には見えないものだった。

父が共産党員だったとかそういうわけではない。
父は語学、文学を長年勉強していて、主にはフランス語だが、英語、スペイン語、韓国語、中国語と、かくいうバイリンガルなのだ。

父が結婚したのは学生運動のさなか、1960年代で、学生結婚だったが、当時から政治思想には全く興味が無く、頭の中は文学のみで、あらゆる文学を読む為、語学を必要としたところから、語学も勉強するようになったと聴いた。
今も、当時も変わらず、本と常にあり、組織社会的な面はほとんど持ち合わせていないような父なので、ちょこちょこ翻訳の仕事をしたりしながら、本と共に生きているような父である。

その雑誌を購買していた頃は中国語を勉強しているときだったのだろう。

我が家は中国とは少し関連がある。
母の生まれがハルビン(当時の満州)だったことが主な要因だろう。
1939年に生まれ1945〜1946年の間に帰国したというから、
7歳まで、中国のハルビンしか知らないことになる。
しかしながら、我が家にコミュニスト思想は全く無い。
そもそも、どんなものであれ、政治的思想が話題になったり、ましてや教育に組み込まれることが無い家庭だった。
中国での母の影響は【食卓の献立】や自然や芸術が占めていたし、
父は漢詩(父の祖父が漢文学者だったから)や文学に占められていたから、共産党という言葉すら、耳にすることは無く、
父が読む雑誌の表紙や写真に頻繁に出てくる人物が【毛沢東】という、中華人民共和国の偉大なる指導者ということも、後年歴史の授業で初めて知ったくらいだった。

雑誌は中国の情報誌のようなもので日本語だったが、私がもっぱら興味を持ったのは、写真に出てくる不思議な自然風景や地方独特の文化的街並みの情景、見た目でも違いが分かる少数民族の人たちの様子。ファンジックな京劇の様子などに心を魅かれた。

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ある時、母にすすめられて読んだ【ワイルドスワン】が毛沢東と文化大革命を知るきっかけとなる。

本書はベストセラーになり、著者の張戒女史は一躍時の人となり、
映画化もされた。

ついで、【毛沢東の私生活】を読むことになった。


毛沢東の私生活〈上〉 (文春文庫)

毛沢東の私生活〈上〉 (文春文庫)

  • 作者: 李 志綏
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1996/12
  • メディア: 文庫





毛沢東の私生活〈下〉 (文春文庫)

毛沢東の私生活〈下〉 (文春文庫)

  • 作者: 李 志綏
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1996/12
  • メディア: 文庫




本書は発売するや、大いに物議をかもしたとして、
大変な話題となったので、中国史などに詳しい方なら、当然読んでおられることと思う。
著者の李志綏史の不可解な死も物議論争に輪をかけた。

李志綏史が毛沢東の主治医として従事した、22年間の回想録で、毛沢東と中国共産党の暴露本でまあったため、中国では今もって、前者の【ワイルドスワン】と同じく刊行されていない。

この、ノンフィクションが信憑性の無い虚偽であるとして、批判、一蹴する論と、当時の状況からみても、大いに信憑性があり、文化革命中の中国の真実を見直すにあたって意味があるという論との、大きく対極する本だ。
この件に関して、論を述べている人のサイトを参考に読んでみた。なるほど、これほど、180度評価が分かれるものなのだなぁ、と、つい感心してしまった。
http://sing.edhs.yun.ac.jp/ad/murata/murata-lishidezhenshi/
http://www.owari.ne.jp/fukuzawa/moutaku.htm

個人的には、さほど信憑性に欠いてるとは思えない。
先ず、文革時代における混乱と多くの死者に対しての、党としての結論が出ていないのが、よく分からない。
文革当時は日中外交の問題があったからかもしれないが、日本サイドでも文革を賞賛しているふしがあったが、その後は手の平を返した批判が多く出ていることも解せない。

又、後に、【毛沢東の私生活】は虚偽とする暴露本【毛沢東の私生活の真実】がこちらは中国から出ている。
批判のなかでも、毛沢東の回想録はすでに多く出ているとしているが、
中国内で承認されたもののみを取り上げているとすれば、それは偏った視点に感じるが・・・
そもそも、国は国に都合の悪いものを存在させたくないに決まっているし、存在させれるとすれば、国にとって都合がよいものになるに決まっている。

正史だ何だと言っても、歴史をそのまま真実と受け止めるほど、
たとえ愚かな私でもそこまで初心ではないし、
歴史が国を誇示したり、又逆に都合に合わせて改竄したりと
、国威発揚に利用する面も多々あり、と、ある程度は納得している。
政治、統治に感情や人間性といったものは、別という考え方も存在していることも分かる。
が、人間性や、個人の尊重は、たとえ国家太平の為でも無視できないものであることも真実だろう。
人間性や人権を守りつつ、国を世界を発展させてゆくことが、永遠の課題なのだと私は思う。

確かに、本書の中で、やや、著者が美化したり、
正当化されているようなふしもあるし、
常に真実ばかりを語っているとまでは思わないが、
良心と保身の間で葛藤しているた事は真実味がある。
結果論として、彼が失意の人生を共産党政権の時代に生きた、
ということは、本当だろうと思う。
その部分では、【ワイルドスワン】でも同じだ。

著者が毛沢東の近くで生きたが、党員としての確固たる地位は無いに等しいのに対し、
張戒女史の父は古参の地方党幹部としての地位を持っていた。
しかし、前者は保身の道を、後者は自分の真意を訴える道を選ぶという、
相対するものだが、結局は失意のまま人生を過ごしたことは同じだ。

救いは、娘である著者の張女子が作家という夢を実現し、母が父の汚名を返上するという勝利があったところだ。

そもそもからして
『国家の為、古い思想を消し去る為、あらゆるものを破壊し、党・もしくは毛沢東の思想、及び、それらが認める思想しか存在してはならない』
なんて考え方が正しいとは子供にも思えない。
稚拙ではあるが、それが読書感想の全てを修訳したように思う。


ワイルド・スワン〈上〉 (講談社文庫)

ワイルド・スワン〈上〉 (講談社文庫)

  • 作者: ユン チアン
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/03
  • メディア: 文庫


  
ワイルド・スワン〈中〉 (講談社文庫)

ワイルド・スワン〈中〉 (講談社文庫)

  • 作者: ユン チアン
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1998/02
  • メディア: 文庫


  
ワイルド・スワン〈下〉 (講談社文庫)

ワイルド・スワン〈下〉 (講談社文庫)

  • 作者: ユン チアン
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1998/02
  • メディア: 文庫




posted by みずほ at 12:45| 大阪 ☀| Comment(0) | ノンフィクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月15日

アルベルト城間 聴いてましてん♪


【夏のミュージック】は誰にでもあろうか。
それが、『サザンだ』、とか、『河内音頭や』とか、
各自の夏のバックミュージックにふさわしいと決めている曲や、
アーティストがいるのではないか?

私の友人に、普段は【ジェフベック】だとか【ジェファーソン】が好きでよく聞いているのに、
「夏には『中島みゆき』だ!」という変態もいる。
(ある意味で、何らかの共通点があるミュージシャンなのかも?)

音楽は好みなので、気に入るものを楽しく聞けば良いと思うが、
どうせ聞くならば、流行、人気、ジャンルに関係なく、
上質の音楽を聴くべきだ!
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国内ラテン系ミュージシャンとして、好きなアーティスト
【ディアマンテス】は沖縄発ミュージシャンだ。

ラテンジャンルとしてもメジャーなバンドだろう。
ヴォーカルのアルベルトは南米ペルー出身の日系3世で、
何年か前のNHKのスペイン語講座にも出演していたことがあるから、
ご存知の方も多いことと思う。

【ディアマンテス】そのものを、はじめて聞いたのは、
17〜18年位前、(何年だったかは忘れたが?)
沖縄ボヘミアンをしていた頃、何かのライブイベントを見に行ったときに、初めて観た。

当時はメンバーも多く、【サンタナ】のカヴァーなんかもやったりして、
音楽志向のルーツが何となくわかり良いバンドに見えた。
もちろん、はじめから結構好きになったのだが、
初期の頃は大阪にあまりCDも売ってなかったので、
沖縄で色々買いあさった思い出がある。

演奏レベルも高く、何度かのラテンブームもあって、
今となっては国内ラテン系のメイン的存在だ(と思っている)
国外での活動もアクティブに行っていて、フジモリ政権中、
ペルー、日本の友好親善のイベント等にも活躍していたのではなかったか・・・?
【ディアマンテス】の心臓ともいえるのは、ヴォーカルのアルベルトの存在ではないかと思う。

先ず『唄が上手い!』のだ。
最初、日本に来たのは、唄の大会(カラオケ大会?)で、賞をもらい、
その副賞の航空券で、先祖の故郷日本に降り立ったとされている。
演歌歌手を目指したが、日本語が駄目だったために入門を断られた。というエピソードがあるが、
演歌歌手にならないでくれて、私は良かったと思う。

それくらい男性ボーカリストの中では大好きなアーティストなのだ。
(ちなみに、大好き男性ボーカリストNO1は、フレディ・マーキュリーだ)
この、スーパーボーカリスト【アルベルト】のソロをおすすめしたい!


BANG!BANG!BANG!~熱帯歌謡大全集

BANG!BANG!BANG!~熱帯歌謡大全集

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: エム アンド アイ カンパニー
  • 発売日: 2007/05/16
  • メディア: CD


【熱帯歌謡大全集】はアルベルトとカルロス菅野とのセッションアルバム。
メジャーな歌謡曲をラテンバージョンにカバーしたもので、楽しい。
誰もが知っているような馴染みの曲、時代のヒットチャートを【アルベルト流】にアレンジしている。
かまやつひろしの【バン・バン・バン!】やヒデ&ロザンナの【愛の奇跡】、
石原裕次郎の【夜霧よ今夜も有難う】はミドル世代にとってのヒットチャートだろうが、
歌詞もスペイン語に変えられた、ラテンアレンジはしびれるカッコよさだし、
若い世代には福山雅治【桜坂】をチョイスしているが、オリジナルより数段カッコ良いのではないか?
と思ってしまった(福山雅治さん・ファンの方々には申し訳ないが・・・)
もちろんラテンスタンダードも選曲されている。
11曲中、2曲が井上陽水というのも興味深い。
かなり、プライベート感覚のあるアルバムになっている。

カルロス菅野は、ビルボードラテンチャート首位・グラミー賞ノミネートという輝かしい功績を持つ国内ラテンのトップクラスバンド【オラケスタ・デ・ラルス】のリーダーとして著名なパーカッショニストだ。
アルベルトとカルロス、二人の才能豊かなミュージシャンが融合すると、歌謡曲はこうなる!というアルバムだ。



ハバネラ

ハバネラ

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: エム アンド アイ カンパニー
  • 発売日: 2002/01/17
  • メディア: CD



【ハバネラ】
有名なビゼーの【カルメン】に登場する曲名をタイトルにした、このアルバムは
ニューヨークでレコーディングされ、プロデューサー、参加ミュージシャンもラテン・ジャズ界のそうそうたるメンバーを集め、
アルベルトの唄の上手さ、声の美しさをたっぷり堪能できるアルバムが完成されたわけである。
選曲のジャンルは多様で、【キエン・セラ】【アンダルシア】などのスタンダードラテンあり、
【トロイメライ】【ノクターン】などのクラシックあり、と様々だが、
「アルベルト節」がニューヨークと融合され、
シャープでインテリジェンスな【ニューヨークラテン】という新たなジャンルに感じる。


『カシスオレンジのような夏の夕暮れ時、取って置きの酒をチビチビと飲みながら聞く。
CD1枚聞き終わる頃には夏の明るい宵の空に薄い月がかかっている・・・・』
このシチュエーションで聴くのがおすすめスタイルだ!(アホみたいだが)




posted by みずほ at 09:30| 大阪 ☀| Comment(0) | CD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月13日

ラ・ローゼオードトワレ

仕入先の問屋の女の子や、若い女性のお客様に、時々
『ティっクさん(花市場で使われてる呼び名)
通ると、いっつも良い匂いするー』と、いって貰える。

これは、朝と午後に1回づつだけふる、オードトワレの香りだ。

おしゃれといって貰えるが、実は体臭隠しである。
花屋の仕事はわりと不規則だし、小さい子供の母でもある私は、
わりと、忙しい人間なのだ。

仕事が終わってから、家事をするが、
時間のかかる料理なんかが晩御飯の献立だったりすると、
寝るまでの時間が減ってしまい、晩酌までしてしまうと
『あー、お風呂今日はまういいや!明日の朝はいろー!』

と、なってしまう。
そんで持って、朝寝坊してしまい、お風呂に入れずじまいのまま
市場に仕入れに行く事なんかになってしまったら・・・

『うーん、しょうがない伝家の宝刀』
とばかり、シュッ!一吹きする。
一吹き仕立ての状態で、彼女達と会えば良い匂いはするわい。

中世のころ香水の流行った所以と全く同じ原理だ。
トラディショナルな使用法なのだ。
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花屋なので花の香りがいいだろうと、
長年 【La Rose’】を使っている。
ハウスオブローズのブランドで石鹸とか他にも色々ある。
香水は付け方が難しいから、手軽なオードトワレがいい。
だいたいの百貨店にもあるので買いやすいし。。。

どっか商品画像ないかな?と思っていたけど探せなかったので、
ご興味ある方はこちらのサイトで見てみてくださいhttp://www.houseofrose.co.jp/products/larose/index.html


おすすめが見せられないのでローズ系のオードトワレをご紹介。












この中で使ったことのあるのはポールスミスと、ブルガリ。
あとは匂った事あるだけです。
バラの香りはたいていの女の子が好きな香りだし、
オードトワレなら気取らない贈り物にいいかもしれない。

posted by みずほ at 13:29| 大阪 ☁| Comment(0) | ファッション・コスメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月12日

毒草の誘惑

夏休みの宿題に【自由研究】というのがあったが、
誰しも、植物採集は一度はしたのではないか?

我実家は田舎で、庭が広かった。
庭といっても、もう、それは慄然としたものは無く
長年育っている木や草がぼうぼうと茂っている。。。
と、いった具合で、ガーデニングなどとは程遠い庭だったが、
母だけは、コツコツと暇を見ては手入れをしていたが、
生えてる植物の多さの方が勝って、
手入れしてもきりが無い!という状態の庭だった。

だから、わざわざ、林や森にいかずとも、
採集する植物には、事足りたので、ある意味便利でもあった。

母は草木いじりが好きだったので、
『この花の実で、生地を染める』とか、
『この葉っぱを食べ物の下にひくと、腐りにくくなる』とか、
『お腹の調子が悪いときは、この花と葉っぱをお湯で煮て飲む』
とか、色々子供の頃に教えてもらった。

ままごとの材料も植物だったので、
(ヒイラギ南天の花=入り卵、とか、杜若の花=なすびの漬物とか、)
『ままごとに使ったら駄目!、触っても手を洗って!』
とか言うような、怪しい植物も色々教えてもらった。

それらはだいたいが、毒のある植物だ。
あまりにも、脅かされた物は子供だから
『近づくだけで、死ぬ!』
なんて、思い込んでしまい、
今でもちょっと怖いと思ってしまう植物がある。

でも、どんな毒があるのか?どんなふうになるのか?
は、子供心にも興味が湧いて、しつこく聞いたものだ。
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『毒』と、いう言葉自体に魅惑の響がある。
「怖いけど知りたい、触りたい」
そんな、気持ちになる不思議な言葉だ。

生き物の中で最も毒をはらむ物が多いのは、
植物がダントツだろうと思う。

『植物の毒』に取り付かれた人がいる。

【ポケット・ジョーク】なるものを延々、続刊されている
植松 黎さんと、いうエッセイストの方だが、
どこで、どう『毒草』に取り付かれたのか、
この方の著する『毒草』に関する本は強烈!

何しろ、この方は実際、バンバン、口にしてしまう。
出会った『毒草』に関する説明
(もちろん、食べたいきさつ、云々も載っています。)
と、その植物にまつわる話、現地ルポの模様、などなどが、
美しい植物画と共に本になっている
【毒草の誘惑】をおすすめしましょう!



毒草の誘惑 (Quarkスペシャル)

毒草の誘惑 (Quarkスペシャル)

  • 作者: 植松 黎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1997/05
  • メディア: 大型本





カラー図説 毒草の誘惑―美しいスズランにも毒がある (講談社プラスアルファ文庫)

カラー図説 毒草の誘惑―美しいスズランにも毒がある (講談社プラスアルファ文庫)

  • 作者: 植松 黎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2001/06
  • メディア: 文庫






実を言うと、花屋で販売される植物にも、毒草は登場する。

ジギタリス(フォックスグローブなんて渾名で呼ばれてる)
やトリカブト、アセビ、すずらん、福寿草、
クリスマスローズなどは、花束やアレンジに人気の花だし、
お正月に欠かせない水仙にも毒がある。
枝のイガナスは、ダツラ=朝鮮アサガオの実だし、
ヤマゴボウなんて、そこらに生えてる。秋の枝物として風情がある。
お葬式に使うシキミにも毒がある。
唐綿や、ユーフォルビアと名の付くもの、(白い汁が出る)
は、大なり小なり、影響があって、
体質にもよるが、皮膚の弱い人だったりするとかぶれたりするから、
水揚げする際はしっかり洗うし、お客様にも注意を促しておく。

ところが、【偽薬効果】というものなのか?
説明するまでは、今までなんとも無かった人が、突然
『ホントにかぶれたのかな?さわったら痒くなって・・・』
なんてこともままある。

毒の効能や、強さなどは、それぞれ違いがあるものの、
植物には大なり小なりの『毒』はある。
『毒』になるか『薬』になるかは扱いの違いの問題だ。

ハーブ等は、植物の成分を利用した薬用効果を期待するものだが、
中には依存性を引き起こすものもあるし、
摂取する人の体質と融合ししたとき、成分の『毒』が勝つか
『薬』が勝つかの違いというのもある。
「薬の飲みすぎはあかんよ!」というのもそこからだろう。
実際、本書の中で取り上げた『芥子』は分かりやすい例だ。
アヘンになると人を蝕む毒になる。
モルヒネになると癌の人を救う鎮痛薬になる。
面白いところは、正常な人がモルヒネを摂取すると、
100%中毒になるが、
がん治療の為処方した場合、これまで、
末期がん患者のモルヒネ中毒というデータは無く、
死亡例も無いと記してあった。

本書の文面そのものを引用すると、何となく納得する。
「病に苦しむ者だけに選択的に恩恵を与え、
邪な快楽に耽る者に、懲罰を与えるとは、何という驚異であろう」

ともかく、この本は、それらの『毒草』を
毒、毒しく描いているわけではない。
いとおしく、麗しく、又ノスタルジックに
アドベンチャーに!描いているわけなのよ!

しかも!『毒草を食べてみた!』というときは
嬉々として食べているふしがある。

これからの、キャンプや、アウトドアの季節に
『毒草』知識の為にも是非、読んでみてはいかがだろうか?



毒草を食べてみた (文春新書)

毒草を食べてみた (文春新書)

  • 作者: 植松 黎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2000/04
  • メディア: 新書




女史の著による毒草関係の書籍もおすすめする。


posted by みずほ at 16:07| 大阪 ☁| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月11日

少年キム

夏休みが近づいてきている。
夏休みといえば『宿題』=『読書感想文』ではないか?
子供の頃は、確かに苦痛だった読書、及びその感想文製作も、歳をとったら楽しみになるのが不思議だ。

だいたい子供の頃は誰でも、思い切り身体を動かして遊ぶほうがいい。
特に、夏休みは水遊び、冒険などなど・・・
文章の世界で遊ぶより現実世界で楽しいことが沢山あるのだから。

だから、夏に読むのは冒険とロマンの名作がいい。
子供が冒険をへて育っていく。
それが、冒険小説の基本的テーマになるものが多い。
小学生くらい向きの子供冒険ものとしては、
仲良し3人組が、毎度珍事件に挑む『それいけ!ズッコケ3人組』シリーズ等懐かしくはないだろうか?

この夏おすすめしたいのがある。
私の秘蔵本でもあり、何年も単行本を大事に持っているが、
毎年、夏になると、必ず読むことにしているので、
すっかり古びてしまったが・・・

【一家に一冊】の名作をご紹介したい。
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イギリス人初で、史上最年少【ノーベル文学賞】作家
ラドヤード・キプリングは
英国が誇る偉大な作家だ。
1894年に書かれた【ジャングルブック】は、
ディズニーアニメにもなっているのでで馴染みの方も多いことと思う。

名作中の名作と思っているのが、大好きな
【少年キム】である。


少年キム

少年キム

  • 作者: ラドヤード・キプリング
  • 出版社/メーカー: 晶文社
  • 発売日: 1997/05
  • メディア: 単行本





19世紀後半、大英帝国統治時代のインドを舞台に繰り広げられる
スリル&サスペンス&アドベンチャー&色々

インドで育った孤児の白人少年【キム】の物語だ。
大英帝国にとってのインドは、政治経済・軍事的にも重要な位置をしめていた。
南下策を採っていた対ロシアとの闇戦争のさなか、ロシア側の重要な位置であったアフガンや、
反英的国家に対しても政治的・軍事的な牽制の必要に迫られていたが、
各国の情報を探る諜報員の人材不足にも悩んでいた。
孤児のキムはあるときひょんな事から知り合ったラマ僧と心を通わし、
ラマ僧の『矢の聖河』を探す旅にくっついてゆくことになった。
ラマ僧に触発され、自分も亡父の残した予言『緑野の赤牛』を探そうと志す。

旅の紆余曲折の中で多くの人と出会う。
インド育ちの白人で、孤児、頭がよく、身が軽いいう
スパイの資質を備えたキムはスカウトされ、スパイ教育を施され、
スパイとしての活躍もする、諜報合戦のシーンも多く登場し、
スリルとアドベンチャーの楽しい物語だ。



本書の評は、作者の死後低くなったが、
これは後の太平洋戦争や、植民地解放への動きなど、
政治的視点から、作者が帝国主義と見られたことに関係しているのではないか?
もっとも、英国側視点から書かれているし、
作者自身の愛国心や民族的プライドもあってしかるべきかも知れないが、
これは一種のいいがかりではないか?と、いう気もする。

だいたい、帝国主義の賛美がテーマなら、本書はこんなに魅力的にはならんのと、ちゃうか?

当時のインドの風景や、階級人種、とりどりの登場人物人物が、
区別無く皆人間味あふれる人物に描写されて、
とても豊かな物語に感じた。
私には『みんなの友達』と呼ばれる【一人の孤児】を、
それぞれの思惑があるとしても、みんなでよってたかって育てた。
子供はみんなの子供、みたいに感じたが・・・

それに関しては、解説の中でも言及されているので
そちらにも是非目を通してもらいたい。

少年キムは作者の夢想した子供の自分像みたいにも思える。
子供の頃あこがれたスパイ、沢山の人との出会い、冒険、etc
夢をそのままに物語りにした。そのほうが楽しく読める。

実際のところ作者の意図するところはわからない。
それを研究する学問もあるが、やはり、本は楽しく読みたい。
まして、文学や芸術が政治・軍事的利用されたりすることは、
やっぱりおもしろくない。

『ペンは武器よりも強い』という格言がある。
物によっては人の心に触れ、動かせるからだろう。
自分の純粋な愛国心や、生まれ育った地への愛着を、
政治的な国威発揚に使われたり、反対に批判されたりされたら、
きっと嫌だろうなぁ。

話が暗くなってしまった。
ともかく、ただひたすら楽しんでみてほしい1冊だ。

【少年キム】はわりに長編で読むのしんどいという方
とにもかくにもキプリングの世界を楽しんで見てはいかがが?
昔をおもいおこして【ジャングルブック】を読み直すのも一興。
短編集も読みやすくて良いかも。


ジャングル・ブック (講談社青い鳥文庫)

ジャングル・ブック (講談社青い鳥文庫)

  • 作者: ジョセフ・ラドヤード・キップリング
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2001/11/15
  • メディア: 新書





キプリング短篇集 (岩波文庫)

キプリング短篇集 (岩波文庫)

  • 作者: キプリング
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1995/11
  • メディア: 文庫





ラベル:英国 インド
posted by みずほ at 11:17| 大阪 ☁| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月09日

後宮小説

だいぶん前になるが、1989年にファンタジーノベル大賞というものが生まれた。
新潮社、日本テレビの協力によるもので、ファンタジー小説という分野の新しい賞だ。
故 手塚治虫氏が選考委員として話題になったのだが、
受賞者選考中になくなられたので、企画そのものが波乱含みと懸念された。
だが、記念すべき第1回の受賞者作品は、レベルの高さを評され、
ファンタジーノベル賞は華々しくスタートしたわけだ。
記事を見て、購入した小説。それがこれだ。
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【後宮小説】とはまた淫靡なタイトルだが、
内容はファンタジー&アドベンチャーである。


後宮小説 (新潮文庫)

後宮小説 (新潮文庫)

  • 作者: 酒見 賢一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1993/04
  • メディア: 文庫





この小説は、受賞後、単行本販売され、
その後、TVアニメにもなったので、
知っている人も多いことだろう。
小説タイトルそのままでは、アニメとしてはいかんともしがたいと、
【雲のように風のように】(だったかな?・・・・)とか、なんとかいうタイトルに変えられていたが・・・・

面白いところは「中国宮廷史に基づいて話を進める」と、作者が記述しているところだが、
この小説に登場する王朝や人物は実在しない。
おそらく清、明時代にかけて起こった政権交代期を想定して架空の王朝を生み出したものと思う。

しかし、中国の風俗や地理などなど、博識な作者の知識で、事実のことも織り交ぜてあり、
架空世界が極めてリアルに感じられるのだ。
王朝の名や、引用した後宮史のこと、人物についての論文を引き合いにだす等等、
錯覚してしまいがちな、マジックの仕掛けのような文面が随所みられ、
中国史知識は、全く無いといって良いほどの私などは、
途中で実存する歴史を基にした、時代小説のような錯覚に陥ってしまったが、
まぎれもなく、これは【ファンタジー】空想小説なのである。

もっとも【史実に基づいてという】マジックにひっかからない
インテリジェンスな方や、空想小説という軸をふまえて読まれる方にとっては、
何てことないマジックだろう。

そもそも【素乾国】という文字に、架空を表していると、とある所で論じてあった。
『比較文学する研究会』というサイトをご参考頂くと、面白い。
http://hikaku.fc2web.com/pre/025.html

このサイトの中でも「空想は現実的」と分析されている。

難しいことはさておき、このファンタジー小説は、
好奇心旺盛な田舎少女が新皇帝の後宮設立にあたり、
応募し、入宮するとこらか始まる冒険だ。
若い新皇帝が収める素乾国は、不安定で
宮廷内は王権奪取の陰謀うずめき、外からはクーデターの動きもある。
波乱の中で、ヒロインはどう育ってゆくのか・・・?
と、いうのが大まかなあらましだ。

アニメでは小説の素地が弱くなってしまい、
なにより、キャラクターの人物像を空想する楽しみが無い分、
感激が減るので、ぜひ、小説で楽しんで頂きたい。

又、この小説のファンタジーとされる所以は、
ストーリーも含め、ストーリーテラーである、
作者がまるで中国史研究者の如き人物として登場している所ではないか?

作者自身も、空想人物となって書き上げたような小説だった。



posted by みずほ at 11:07| 大阪 ☁| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月07日

東南アジア ガハハ料理ノート

小さい子供が家にいると、献立は常に【子供味】のものになってしまう。
ハンバーグとか、オムライスとか、子供の味覚に合うものが主流になって、本格的な【辛い料理】は家で食べる機会が減った。

タイ料理やインド料理など、東南アジアの料理に魅かれる。
昔、一緒にバンドをやっていたドラムの子(○さん)が東南アジアフリークだったので、その影響だ。
当時、彼女の兄上が東南アジアを旅するボヘミアンだったこともあり、
彼女は色々な料理を知っていたし、大阪で食べられる本格的なエスニック料理店にも詳しかった。

そんな訳で私もエスニックファンになったのだが、
実際、東南アジアのどの国にも行ったことは無い。

但し、子供がやや、物分りの良い歳になってきたので、
自分用に家庭で作って食べる程度は楽しめる。
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森 優子というライターをご存知か。
旅行ガイドや、エッセイなどを執筆していうるイラストレーター&ライターで、
大阪府出身の女性だ。

大阪出身だけにばかばかしいネタを疲労してくれるのが
【東南アジア ガハハ 料理ノート】


東南アジア ガハハ料理ノート

東南アジア ガハハ料理ノート

  • 作者: 森 優子
  • 出版社/メーカー: 晶文社
  • 発売日: 1997/10/01
  • メディア: 単行本





旅のコラムと共に現地の料理を、彼女自身が試行錯誤して作ったレシピが載っている。
旅のコラムといっても、どこそこの有名店ガイドだの、名所だのは一切無く、
食堂のおばちゃんがなぜかいかっていた。だの、
ベトナムサンドの上手さに立て続けに4本食べた友達が、路上にゲロ吐いた。だの、
美人女子学生の見学に行った。だの。ぼられた。だの
バカらしい話とコミカルなイラスト満載で楽しい旅行記だ。

料理のレシピは良く出来ていて、実際何種類か作ってみた。
なるほど、本場の味はどうか知らないが、我々日本人の口に合うように考えてくれているのか?
特殊な素材に対しての代用品も教えてくれている。

本当にアジア旅行が好きな人なのですねー
ラベル:東南アジア 料理
posted by みずほ at 17:04| 大阪 ☁| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月06日

Bob Dylan 聴いてましてん♪

曲は好きだが、ミュージシャン当人がやってるのは、重い。。。というミュージシャンや曲が時々ある。
あんまり昔の曲だったりすると、尚更で、カヴァーのほうが楽しんで聞ける・・・なんて曲もたまたまある。
もちろんオリジナルのアーティストの偉大さは認めるが、マニア的なこだわりを待っていると、いい曲でも楽しめなくなる。

偉大なボブ・ディランだが、本音のところを言うと、ちょっとしんどい。
何というか・・・【哲学的ミュージック】な感じで重い。
初めて見たときの印象も、なんか堅苦しそうなイメージで・・・

ボブ・ディランをはじめて見たのは、一昔のかたならご存知の【小林克也のベストヒットUSA】だった。
当時小学校の4・5年生くらいだったと思う。
子供には理解に苦しむディティールと独特な個性を子供心にも感じた。
色んなミュージックを知りたくてワクワクしていた時に聞いたのだから、ちょっとしたショックだったのだと思う。
曲は何か忘れたが、気難しそうな顔、特徴的な声、何とも言えない重いオーラにビビッたのだろう。

と、言うような思い出がトラウマになってか知らないが、
長いこと音楽をやってるわりにはボブ・ディランはあまり聞かない。
実際に持っているのもほとんどがベスト盤で、
コピーしたりすることがあったり、何か機会があって覚えようと思った時くらいしか聞かない。

ボブ・ディランファンの方には『けしからん』ことと思うが、
楽天的音楽愛好家には、怖いミュージシャンなのだ。
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しかし、やはり偉大なミュージシャンであることは間違いない。
いい曲はたくさんあるし、この歳になると、何となく良さが分かるようにもなって来る。

しかし!やはり楽しく聞きたい!
と、思うにはやっぱ無理がある・・・

そこでおすすめしたいのが
【The 30Th Anniversary Concert Celebration】だ。


30th Anniversary Concert Celebration

30th Anniversary Concert Celebration

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sony Mid-Price
  • 発売日: 1993/08/26
  • メディア: CD





1992年 NYマディソンスクエアガーデンにて行われた、
30周年コンサートだが、著名ミュージシャンが多く出演し、ディランの曲を演奏している。
出演メンバーもそうそうたるメンツで楽しい。

ジョニー・ウィンター/ジョン・メレンキャンプ/トム・ぺティ&ハートブレイカーズ/ウィリーネルソン/エリッククラプトン/クリッシー・ハインド/等等
好きなアーティストが出ているので興味を持った。
今は無きジョージ.ハリスンのボブ・ディランが聞ける。
もちろんボブ・ディラン オンリーのシーンもあるし、
出演者全員のセッションもある。

本物のプロがやると、人の曲でも【自分節】になる。
ディランの曲もずいぶん印象が変わるが、やはりボブ・ディランの曲でもある。
こういうセッションライブのの醍醐味は
「音楽って皆で楽しめて楽しい!」と実感出来るところだ。
選曲も含め、曲それぞれに、各ミュージシャンが何らかの思い入れがあったりするのだろう。

個人的には1枚目のNo11【Highway 61 Revisited】と
2枚目No5【Emortionally Yours】がいい。

【Highway 61 Revisited】はやっぱりジョニー・ウィンターのギターが楽しい!
ライブではギターはトリオ、ドラムはツインで、より、パワフル!
このテンション・このノリは狂っている!

【Emortionally Yours】はオージェイズのアルバムで実際カヴァーされているが、
今回もカヴァーバージョンでやっている。
サム&デイブを彷彿させるようなツインヴォーカルと
ゴスペルチックなコーラスのソウルフルな曲になっている。
ボブ・ディランをソウルでやるとこうなるのか・・・という仕上がりだ。背筋が寒くなる感激だ。

私と同じような、【ボブ・ディラン怖い】派の方に、ボブ・ディランの曲を楽しんで頂くのにおすすめのCDである。

ちなみにこのアルバムは翌1993年のビルボードチャート40位につけている。

posted by みずほ at 14:51| 大阪 ☁| Comment(0) | CD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月05日

花月夜綺譚

どんなものを書く作家かどうか知りたいとき、短編作品集は便利だ。

待ち時間や、移動中でも切りよく中断できるし、気分で飛ばし読みできる。

選ぶときのコツは@知ってる作家が入ってる。 Aキーワードを決めるのが私の選び方だ。

夏になってきたので、今回のキーワードはやはり【怪談】にしよう。
エアコンまではまだ要らないが、暑さを感じるようになった今日この頃には、ちょうどいい涼だろう。
8月にもなると、そうは行かないが・・・・
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【花月夜綺譚】とは艶やかなタイトルだ。

10人の女性作家による短編怪談集だ。


怪談集 花月夜綺譚

怪談集 花月夜綺譚

  • 作者: 岩井 志麻子
  • 出版社/メーカー: ホーム社
  • 発売日: 2004/08
  • メディア: 単行本





『ギャーッ』というような怖さではなく、
女性ならではの見方で人の心の闇を描く、
じっとりとした怖さの怪談が揃っている。

本編のトップを切る岩井志麻子女史は
ホラー大賞受賞の経歴を持つ、ホラー小説の第一人者として、
人気も高い。
いつもは、エログロねたの、暗く陰湿なテーマが多いが、
文そのものは相対して綺麗な表現が好きだ。
今回も人の心の闇の恐怖だが、エログロは無く、
美しい風景と共にストーリーがあるが、
それゆえ寒々とした怖さがあるといえるかも。


個人的に一番気に入ったのは、霜島ケイ女史の【婆娑羅】だ。
出てくる登場人物皆が皆、奇怪で、中々にエグイのだが、
妙な清々しさがある。
むしろ登場しない人物や、舞台になっていない世界の方が恐ろしいとさえ感じる。

主人公の唱門師は言う
「人には人の、化け物には化け物の道理がある。
人も生きれば化け物も生きる。
争いはせめて欲得でやるもんだ。人だ化け物だで争ってはじまらない。」
何とも飄然とした言ではないか。

「飽きるまでこの世を彷徨うのも面白いかも」と、
出会った座頭の幽霊の言もまた潔よい。

自分の心の中は人にも化け物にも、死んでも分からないことなのかもしれない。
分かっていると思っている者ばかりが、恐ろしい物や世界を生み出す。
そちらの方が遥かに恐怖だ。

女史の作品を読んだことはまだないが、今度ぜひ読みたい。

posted by みずほ at 08:06| 大阪 ☀| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月04日

バイトくん! 大阪100円生活

我が家にはTVが無いので、家で過ごすときはおおかた、
読書か、楽器か、食べるか、飲むか・・・しかない。
読書といっても、いつもいつも活字は読めない。
たまには頭を『すっからボケ』にしておきたい時もある。
そんな時、助けてくれるのが【いしいひさいち】漫画なのである。

長年愛読させていただいております。

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名作が多すぎておすすめには困るのがいしい氏の漫画だが
はっきし言って 『なんでもええ!』というくらいくだらなく楽しい。



バイトくん!大阪100円生活 (講談社+アルファ文庫 D 63-1)

バイトくん!大阪100円生活 (講談社+アルファ文庫 D 63-1)

  • 作者: いしい ひさいち
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/04/20
  • メディア: 文庫




【バイトくん! 大阪100円生活】は昔の方はご存知か、
プレイガイドジャーナルに連載されていた
Oh!バイトくんのキャラクターでエッセイを綴ったようなもの。
底辺スラム生活を、懐かしくもいとおしく語っています。
当然、添えられた4こまのバカバカしすぎる面白さも必読!
いしい氏自らのコメントが添えられていて、いしい氏のエッセイよう。

と、細かいことはさておき、読むとニヤ付きますよ。
若かりし頃、『あるある、こんなことしたかも』
(カステラの切れ端とか、商店で買うラーメンのトッピングゴボ天
<私の時代ではチクワ天かしょうが天>レトルトカレー4倍増量の術とか)
というような
バイト君の暮らしぶりがなんとなくノスタルジー。


現在、仕事に追われ、社会責任も出来た。
けど、あいも変わらず貧乏だ。とあせりを感じてしまう時
バイトくんに会いに行きます。
すると、
『ありゃ?若い時よりはいいもん食べれるようになってるやん。毎日頑張ってるもんね!』なんて気になれて、又、心が落ち着きます。
気の小さい話だけど、昨日はそんな気分だったわけよ!

バイトくんにお馴染みの、バカキャラクター【鈴木氏】【久保氏】【留年先輩】等等も相変わらずの迷走ぶり。
いしい氏のコラムから、キャラクターの出所が分かったりもして面白い。


posted by みずほ at 11:37| 大阪 ☁| Comment(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月01日

吉原手引草

元来、ケチなので図書館の愛用者だ。
本を購入するときはよほど気に入ったか、出先での暇つぶしや、札崩し(古いタイプなのでバスや電車に乗るときなどは事前に小銭を用意しておく)の際に買う。

後者の時のように、気まぐれに買うときに読む本を選ぶ時は
@表紙カバーの印象
A内容のあらまし
B偶々その時興味があったり、予備知識があったりしたのもの(ノンフィクションとか、ニュースや新聞などで話題になっていたものとか)

先ず読まないジャンルはエッセイなどの類なので、それははずすが、
旅行記だとか、料理本、地図だったりすることもある。

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【吉原手引草】はカバーの絵に引かれたのと、
少し前に図書館で【江戸の盛り場】という、
風俗資料本を少し読んでいた(東京散策に面白いかな?と思って)から。

あたりだった!



吉原手引草 (幻冬舎文庫)

吉原手引草 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 松井 今朝子
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2009/04
  • メディア: 文庫






江戸時代の大歓楽街、吉原は当時の国の承認風俗街だ。
性風俗文化のたいそうな歴史を担った街として長年君臨していた。
その吉原を舞台にストリーは展開するが、色っぽいものを期待しているのなら、大間違い。

吉原大まがき店(いわゆる高級店である)を支える看板花魁は歴史に名を残す大花魁も多い。
高尾、吉野、葛城など、大花魁の名はその当時のトップ花魁が代々襲名する名として、歴史にも登場する。

【吉原手引草】では今をときめく花魁『葛城』の突然の失踪を追ってストーリーが展開してゆく。
ストーリーは人物Aによる、葛城失踪の謎を探求するべく、吉原内の様々な人物から聞き込みをする形で始まる。
よって文章は終わりまで全て、各登場人物の語り言葉として書かれている。
人物の実態を具象化している文章は具体的にはないのだが、それぞれの話方や、違う人物による話などから、登場人物のパーソナリティが見えてくる。
そして、又、葛城花魁という一人の女性像が徐々に見えてくるなのだが・・・

葛城はどこへ消えたのか?
葛城はなぜ消えたのか?
葛城は誰なのか?

このミステリーに挑む登場人物Aのように読み進むうち気づくだろう。
『これは、ハードボイルだ!』

これ以上は言えない。だが、読めば分かる。
謎が解き明かされてゆく頃には、ハートが痺れているだろう。


posted by みずほ at 11:07| 大阪 ☁| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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